そんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- 大学職員のテレワークや在宅勤務の実態
- 大学職員志望なら、民間企業みたいな雰囲気じゃないことをテレワーク・在宅勤務から理解する
弊ブログから累計200名以上が大学職員へと転職していますが、民間企業みたいなことを期待して転職してくるとショックを受けます。
出世競争やノルマが無く、夏休みや冬休みが2週間以上あって、年功序列で誰でも1,000万円貰える世界というのは、大学職員のポジティブな部分です。
ネガティブな部分としては、テレワークや在宅勤務みたいなものは有りませんし、それを推進していこうという風土の大学は非常に少ないです。
それは、なぜなのでしょうか?
大学職員という特殊な世界を理解すると、テレワークや在宅勤務が進まない理由が簡単に見えてきます。
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大学職員のテレワーク・在宅勤務が進まない理由
大学職員に転職すると、ノルマや出世競争から開放され、年功序列のまったりした世界になるのは、民間企業から比較して間違いありません。
ただ、その分デメリットもあり、そんな浮世離れした大学という世界では、民間企業での「当たり前」は全く通用しません。
特に、コロナ禍においてリモートワークや在宅勤務が進んでいっていますが、東京を含む多くの大学では従来どおり頑張って出勤して仕事をしているのが特徴です。
なぜ、大学という業界ではリモートワークや在宅勤務が進まないのでしょうか。
現実が見えていないか、あえて見ないようにしている大学の上層部はその進まない理由を「業務の縦割り」や「紙文化」などの業務フローのせいにしようとしています。
ただ、実際はそんなこととは全く関係ない、実に日本らしいムラ社会な大学職員の実情が関係しているのです。
大学職員特有の「権利意識」がテレワークや在宅勤務を阻害
民間企業から大学職員に転職して思うのは、異常な「権利意識」の高さ、横並びの異常な主張です。
すでに、私立大学職員であれば平均年収734万円であり、十分に民間企業よりも高いのですが、熱心に組合で年収アップを運動しているような人もいます。
関連記事>>>大手私立大学では軒並み年収1,000万円オーバー続出の年収ランキング
また、民間企業のように「決まったから仕方ないか」みたいなマインドの人間も少ないのが大学職員の特徴です。
大学という場所自体が、「議論」を重要視するアカデミアの世界である為、なぜか事務職員でも教員のような議論を好む人種もたくさんいます。
そのような人種にとって、「格差」というのは格好の標的・議論のネタであり、声高に自分の主張を叫ぶチャンスです。
例えば、テレワークであれば、「出勤している部署と出勤していない部署の格差」であり、出勤していない部署の人はこのままで仕事が回っているのに、出勤部署からしたらそれは面白くありません。
結果として、朝日新聞系のニュースで紹介されていた、「在宅で対応できるのに……「何で、我慢して出勤」私大職員の嘆き」へとなるのです。
ところが昨秋、通常業務に戻すとの方針が示され、出勤を求められました。
大学では、秋から対面授業を再開したため、職員の対応もより必要になりました。ただ、在宅勤務を継続できる職員とそうでない職員との格差があると学内でささやかれていた、という指摘もあります。
大学職員という権利意識が異常に高い人種のなかで、議論を好むような声の大きい人間が多いと、「在宅勤務の格差→じゃあみんなで出勤しよう」という考え方になっていくのです。
人は暇になると、その枠内で不平・不満を言い出す
特に、中途採用で大学職員に転職して感じたのは、研修などで会う様々な大学において、なぜかどこも経営側と現場の事務職員や教員が対立しているということです。
私みたいな社畜は経営側から給料を貰っているので、経営側が決めたことをやればいいと思うのですが、大学職員はそうはいきません。
というか、民間企業だと日常が忙しく、そんなことを考えている暇は無いのが正直なところなのですが、大学職員の場合は仕事が全く忙しくないので、そのような余計なことを考える時間が多くあります。
業務時間中でも、毎日フルパワーで働く必要が全く無いぐらいゆっくりできているので、その時間で自分の好きなことをしていたらいいのですが、大学職員で暮らしていると、暇すぎるのか他人の一挙一投足が気になってくる人も多いです。
その結果として、「◯◯さんは在宅勤務の日が0.5日も多いのに、私は少ない」だとか、「◯◯さんは在宅勤務なのに私は出勤しているから不公平だ」というような不公平・不満へと繋がります。
これは、専任の事務職員でもそうですし、パートの契約社員間でもそうです。
そもそも、大学に来ても仕事がないのに、「感染リスクガー」と在宅勤務を声高に主張するBBAなどは、どうせ家でワイドショーみて洗濯したいからなのだと思います。
そんな◯◯◯な職員たちの不満を聞いて調整するのがめんどくさくなってくるので、「じゃ、全員出勤で」となるのが、大学職員の素晴らしい世界です。
大学職員のテレワーク・在宅勤務のボトルネックは学生でなく「教員」
大学職員の勤務形態において、ある程度の「窓口対応」が発生するのは致し方ありません。
ただ、犯罪防止の観点からかなりの確認を行う銀行口座ですらオンラインで作れる時代に、窓口に行かないとできないことって大学にあるのでしょうか。
大学には、ステークホルダーとして「学生」・「教員」・「その他地域住民や卒業生」が存在します。
むしろ、大学職員のテレワークや在宅勤務では、「学生」はオンラインで手続きが進行することに慣れていますし、むしろわざわざ窓口に行くことを面倒くさいと思います。
昨今のコロナ禍で学生がオンライン授業が多すぎて大学に行けていない問題はありますが、あれはキャンパスで友人に会えないからであり、別に窓口に行きたいからではありません。
そうすると、テレワークや在宅勤務のボトルネックとなるのは、「教員」です。
特に、大学職員の場合、すべての決定権が教員>>>事務職員であるため、教員の意向は無視できません。
教員も権利意識が高い人種である為、学部事務所がオンライになった場合、誰が教員様の下働きをするのかと考えているひとも多くいます。
特に、論文も書けず定年を待っているだけの老害に限って、事務職員にオンライン授業の必要以上のサポートを求めてくるので、大変です。
以前、Twitterで大学職員は介護職と書いていた方がいらっしゃいましたが、論文も書けない年収1,400万円の老害の相手をしてあげてるときに、それを強く感じます。
このブログから407人が大学職員に内定しました
2024年4月までに
大学職員を目指せるエージェントのまとめ
弊ブログからは、2018〜2024年で407名が大学職員へと転職しました。
大学職員の転職は情報戦です。自分の知らないうちに求人が出ていることを避けないといけません。
弊ブログでの実績のある、合格者がみんな使っていたエージェントは2つだけですので、シンプルです。
早めの登録と活用がポイントになります。
大学職員に転職できるエージェント
リクルートと並ぶ実績のあるエージェント
新潟大学のRPA事例があれば、大学の業務改善は可能かも
最近、大学業界でもRPAの導入が非常に進んできています。
特に、定型の業務処理を従来だと紙で行っていたような、人事・財務系部門で強みを発揮していまし、教務系部門や研究支援系部門でも大きな可能性を秘めています。
そもそも、RPAを行う際には、前提となる提出物がExcelなどのデータでないと意味を成しません。
大学の場合、従来のやり方から変わることを異常に嫌う風土があり、面倒でミスの起こるリスクがある転記作業が普通に行われていました。
ただ、コロナ禍のおかげで学校内の入構制限などがかかり、従来は紙で提出していたような書類をデータ化せざるを得ませんでした。
コロナウイルスの感染拡大防止の観点という大義名分から、学校法人におけるオンラインの可能性は大きく広がったと感じます。
もちろん、新潟大学のRPAの事例のようにコロナ禍前から取り組まれていたこともありますが、一気に加速したのは新型コロナウイルスのおかげでしょう。
本学の労務福利課を含む総務部では、若手メンバーが中心となり、非常に前向きな動きを見せてくれたことが、自動化成功のカギになりました。ひとつロボットが稼働すると、『この業務も自動化できないかな?』『部局から提出してもらうデータをこうすれば自動化できるね』という気づきがたくさん生まれました。
リテラシーの高い人は、日常において、時短や効率化を自然と考えることができます。新潟大学においても、RPA事例が増えていくに従って加速度的に自動化が進んでいったことが見て取れます。
このように、学校法人の業務改善において、リモートワークや在宅勤務の推進と並行して、RPAによる定型業務処理の効率化は非常に大切なポイントであると言えます。