そんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- 大学別一般入試入学者割合ランキング
- 指定校やその他推薦は本当に悪なのか?
普段、過去4年ぐらいで累計257名以上が大学職員へと転職したブログを細々と書いている、暇な大学職員(@univadm)と申します。
大学職員へと転職したら、ノルマや目標が無くなり、夏休みや冬休みで各2週間以上あるホワイト生活が待っていました。
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そんなコスパ良しな大学職員なのですが、大学職員へと転職するには、「大学職員という仕事内容を具体的に理解する」ことが重要です。
私立大学一般入学者割合(2019)
関学さん、指定校撒きすぎ説
明治大学 69.9%
東京理科大学 68.5%
立命館大学 60.9%
青山学院大学 59.7%
法政大学 58.5%
慶應義塾大学 56.3%
早稲田大学 55.8%
中央大学 55.5%
同志社大学 51.8%
関西大学 51.1%
学習院大学 46.2%
上智大学 44.5%
関西学院大学 36.6%— 暇な大学職員@2020年108名・累計184名が転職済 (@univadm) February 4, 2021
そんななか、有名大学の一般入学者割合をTweetしたところ、意外と反響があったので、現役大学職員の視点から、思うところを書いてみようと思います。
プレジデントか東洋経済の方が言っていたのですが、学歴ネタ・年収ネタは雑誌が売れるらしいです。
一般入試の割合っていう、意外と、みなさんが興味を持たれていたことに驚きました。
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大手私立大学、一般入試割合ランキング
私立大学一般入学者割合(2019)
関学さん、指定校撒きすぎ説
明治大学 69.9%
東京理科大学 68.5%
立命館大学 60.9%
青山学院大学 59.7%
法政大学 58.5%
慶應義塾大学 56.3%
早稲田大学 55.8%
中央大学 55.5%
同志社大学 51.8%
関西大学 51.1%
学習院大学 46.2%
上智大学 44.5%
関西学院大学 36.6%— 暇な大学職員@2020年108名・累計184名が転職済 (@univadm) February 4, 2021
このTweetを見て、どう思われたでしょうか?
どの大学も難関大学とされている有名大学ばかりですが、各大学独自の試験を勝ち抜いて入学する一般入試の割合にここまで差があることに驚かれた方も多いと思います。
どの大学も、入学することが難しいとされている大学なのですが、一般入試「以外」の入り方がここまであるというのは、大学業界の人じゃないとビックリするかもしれません。
TOPの明治大学は、一般入試の割合が約70%となっています。
ただ、これは学部によって割合が違うことにも注意が必要です。
例えば、「2016年度明治大学データ集」に拠ると、法学部は一般入試割合75%、政治経済学部65%、文学部80%と学部によって若干バラツキがあります。
ただ、それでも明治大学は一般入試で多くの人に門戸を開いていると言えるのですが。。。
むしろ、上智大学の44%、関西学院大学の36%には驚きです。なぜ、ここまで違いが出るのでしょうか?
それについても、考えてみることにします。
私立大学における推薦入試による定員充足率の実態
私立大学における推薦入試の割合については、インターネット上で論文が公開されていることが多いです。
例えば、関西大学第一中高の森川先生が書かれた、「私立大学における推薦入試による定員充足率の実態調査」(2012年)では、リアルな数字が公開されていますので、ご紹介します。
これは、2012年と少し前のデータですが、先生自身が各大学に質問するなどして調べられたことがまとめられています。
各大学ごとの割合は以下になるのですが、2020年ともなるともっと推薦の割合が増加していることが多く、現在ではこれよりも一般入試比率は下がっていることが多い点に注意が必要です。
大学名 | 一般入試比率 | 付属校比率 | 指定校比率 |
慶應義塾 | 60% | 22% | 9% |
早稲田 | 63% | 15% | 14% |
明治 | 69% | 11% | 11% |
法政 | 67% | 12% | 14% |
中央 | 57% | 15% | 23% |
関西学院 | 52% | 非公開 | 非公開 |
関西 | 60% | 8% | 27% |
同志社 | 58% | 17% | 18% |
立命館 | 61% | 13% | 11% |
近畿 | 49% | 9% | 16% |
東海 | 44% | 30% | 5% |
日本 | 48% | 23% | 13% |
帝京 | 59% | 3% | 9% |
東洋 | 75% | 5% | 14% |
※「私立大学における推薦入試による定員充足率の実態調査」(2012年)から抜粋。留学生入試やスポーツ推薦入試は省略。
本調査は、「大学の実力」から公開データを基に算出したり、直接問い合わせたりして、データを集められたようです。
並べて分かるのは、関西学院大学の「付属校・指定校の割合:非公開」の異様さ。
本調査の備考欄には、「推薦入試入学者数は2012年度以降は公開しない方針」と書かれていました。
● 全入学者に占める指定校推薦の比率
1.関西大学 28.3%
2.関西学院大学 25.2%
3.同志社大学 19.8%
4.立命館大学 8.6%● 全入学者に占める内部進学の比率
1.同志社大学 16.3%
2.立命館大学 15.0%
3.関西学院大学 12.6%
4.関西大学 9.7%(「大学の実力2017」から計算)
別のサイトを見てみると、このような数字も出ていましたが、この調査と近しい割合になっているので、関西学院大学の指定校の割合もこれぐらいであると推測されます。
別に指定校推薦=悪だとは思いませんが、一般入試の割合が低い=多くの受験生に門戸が開かれている訳ではないということにはなるので、関西学院大学のこの推薦入試の多さは気になるところです。
ちなみに、関西学院大学ですが、2010年入試の志願者数が50,845人だったのですが、2020年入試だと33,000人となり、35%も受験者を減らしています。
大手私立大学でここまで受験者を過去から比較して減らしている大学を知らないので、異常なぐらい受験生が離れていっているということは言えそうです。
推薦入試の割合が高い=悪というわけではない
ちなみに、推薦入試が多い=悪という訳ではありません。
大学職員として入試方式と成績データの相関関係を見たりしてきたなかでの印象は、指定校推薦=コツコツ型が多く成績は悪くない、一般入試=入学して目的を達しひたすら遊ぶ人も多いというような印象です。
ちなみに、スポーツ推薦については、入学者によっては留学生よりも日本語ライティングテストが低い学生もいたりして、とりあえず闇が深い感じ。
実際、「 入学者選抜方法による大学の学業成績 ──同志社大学社会学部を事例に──」では、
分析の結果、推薦・AO入試や内部校推薦を利用し、同志社大学 へ入学した学生は、一見、一般・センター試験を利用して入学した学生と学業成績に あまり違いのないようにみえた。しかし、それは推薦・AO入試や内部校推薦を利用 して入学した学生がまじめに講義に取り組んでいるため、または女性が多いためで あった。
このようにまとめられています。
なので、勉強をがんばってきた一般入試のほうがGPAが高く、入試に向けた勉強をしてきていない推薦入試組のGPA低いという事はないということになります。
大学の成績においては、コツコツ積み上げていくことが重要であり、一発勝負というよりは日常のレポート提出の割合なども評価基準となっていることを考えると、指定校推薦のような高校の成績の積み上げが重要な入試方式にはマッチしているといえると思われます。
それでも、各大学の一般入試の割合がこれだけ注目されることは、推薦入試が多い=勉強してないしズルいというような雰囲気があるからかもしれません。
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