そんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- 追手門学院で発生した退職強要研修とは?
- 現役大学職員が大学職員の退職やリストラについてお話します
【動画】「あなたはいらない」名門・追手門学院 職員への「退職強要研修」音声《予告編》 | 動画 #追手門学院 #スクープ速報 #週刊文春 https://t.co/xq9Jw1gybT
— 週刊文春 (@shukan_bunshun) September 11, 2019
Twitterみてたら、いきなり凄いのがきました。
以前からあった、追手門学院の退職強要パワハラ研修の音声が公開されるとのこと。
大学職員ってホワイトですよ〜給料いいですよ〜とお伝えしている弊ブログとしては見逃せない話題でもあります。
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社畜系民間企業で働いていた私からすると、民間企業での(それとない)退職勧告は見聞きしたことがありました。
ただ、それが、ホワイトな仕事の代名詞である大学職員で行われていたとなると驚きです。
しかし、その実施した学校法人が追手門学院と聞いて、ある程度は納得。
たしかに、黒い噂を聞いたことがある学校法人だったんですよね…。
今日は、その追手門学院が実施した退職強要について、現役大学職員の視点から考えてみることにします。
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追手門学院の退職強要パワハラ研修とは?【18名全員が退職対象です】
ことの発端は、2019年6月23日付の朝日新聞。
大阪府内で大学などを運営する学校法人追手門学院が2016年に開いた職員研修で、外部の講師が「腐ったミカンは置いておけない」などの厳しい言葉を各受講者にかけていたことがわかった。学院側は、研修中やその後、受講者に退職を勧めており、翌年度にかけて少なくとも数人が退職したり休職したりした。
突如、2016年の研修が大手紙でクローズアップされたのでした。
一応、キー局のニュースで取り上げられたりはしましたが、日大アメフト部の問題ほどは大事にならず、法人も7月に大学HPで謝罪と改善を誓い、鎮火したかのように思えました。
この度、2016年に実施した自律的キャリア形成研修において、研修を委託していた外部の講師の不適切な発言がパワーハラスメントにあたるのではないかという報道等がなされました。
本学院としては、外部講師の発言とはいえ、報道された不適切な発言は決してあってはならないと認識し、研修を委託した本学院の責任を強く感じております。
しかし、今日になって文春のTwitterで明日12日(木)朝に研修の音声が公開されるとの投稿があり、再燃したという感じです。
あなたは腐ったミカン、学園で決めたことなので退職は覆せない…などを外部講師を通じて18人の大学職員に伝えるという、完全パワハラな研修をやっちゃっていた訳ですね。
そして、その音声データが明日公開されるようです。
大学職員はホワイトが基本なんですが、たまにこんなブラックなことをやっちゃうのは、ショックです。
(まあ、追手門学院は結構ワンマン気味のブラックという情報も多いのですが・・・)
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追手門学院の退職強要研修を実施した会社はどこ?
研修を実施したのは、東京に本社を持つ、株式会社ブレインアカデミー。
『私学の人事部』を標榜し、私立学校の採用コンサルティング実績が450校以上、私学の人事コンサル実績が50校以上と、私立学校に深く入り込んでいる企業です。
特に、私立高校に強みを持っているようで、最近ホットな教員の働き方改革や労務管理に関するセミナーも、全国各地で行っています。
(私学の人事コンサル…と聞くと、今回のような追手門学院方式でのパワハラかな?と思ってしまいますが・・・)
そして、追手門学院の研修の問題は、学園の上層部とコンサル会社が手を組み、不当に大学職員を辞めさせようとしたところにあるのです。
結果、7名の職員が、退職・転籍などの選択を余儀なくされたという。
また、この研修後、同学院はブレインアカデミーに対し、退職などを選んだ職員1人あたり108万円、計700万円余りを支払っていることが、「週刊文春」の入手した請求書などからわかった。職員を退職や転籍させたことへの「成功報酬」とみられる。
しかも、成功報酬として、金を払っていたことが、週刊文春の取材によって明らかにされたようです。
こんな、あからさまことやって、録音でもされたらやばいと企画側は思わなかったのでしょうか…。かなり不思議。
たしかに、大学職員に限らず、正社員は一度雇ってしまったら簡単にはクビにできません。
それを、研修会社に提案されたのか、法人としてこんな研修をやってしまう追手門学院の浅はかさに驚くばかりです。
ただ、それよりも驚いたのは、文春のこの一節。
昨年、創立130周年を迎えた追手門学院(大阪府茨木市)。幼稚園から大学までを有し、“西の学習院”とも称される関西の伝統校だ。
いや、西の学習院なんて言われてるの、聞いたことないですけどね・・・というのが現役大学職員の感想。
それを言うならば、小学校からある関西の伝統校、甲南大学のほうが学習院に近いような。
追手門学院は偏差値的には、甲南大学の産近甲龍よりも、もう一つ下のランクです。
学習院大学対甲南大学運動競技総合定期戦というのも、大昔からやってますし、西の学習院ならば甲南大学かなって思いました。
追手門学院のパワハラ研修会社は教員採用分野のサイトで超有名
退職強要のパワハラ研修で大学職員を辞めさせようとした株式会社ブレインアカデミーですが、私立学校に強いだけあって、自社で良コンテンツを持っています。
私学の教員採用支援・私学教員就職のインフラ「教員採用.jp」
さしずめ、私立学校教員採用界のリクナビといったものでしょうか。
これで、高校教員になりたい若手を採用しながらも、自社の研修プログラムでは退職に追い込むような研修をしてしまっているこの企業のモラルを疑います。
長周新聞 2018年4月13日
「語れる内容あるのか? ブレインアカデミー設立の私学労務研究会 梅光樋口学長が講演 組織崩壊寸前なのに…」 pic.twitter.com/k8ieCpHxeM— 梅光学院 記事情報 (@baiko_news) April 17, 2018
ちなみに、この企業のパワハラ研修ですが、追手門学院に始まったことではありません。
過去には、山口県下関市の梅光学院でも同様の問題を起こしており、明らかに退職強要の研修をパッケージングして販売しているのが分かります。
梅光学院は、地方のワンマン私立にありがちな風土だったので、このような退職強要研修をやってしまうのは分からないでもないですが、関西圏では歴史や知名度もある大手私立大学の追手門学院がこんなこをしてしまったことに、追手門学院の風土を疑ってしまします。
ちなみに、追手門学院ですがいろいろと知り合いの大学職員に聞いてみると、役職者を中途採用したけど合わないと思ったらポイ捨てして閑職に追いやるなど、比較的黒めな話はいくつかでてきていました。
もともと、法人の風土が今回の退職強要のようなものでも通しちゃう、危うい感じなのかもしれません。
現役大学職員が考える、大学職員・教員のリストラについて
大学職員業界に限った事ではありませんが、今回のような名指しした退職強要の研修は、レアケースだと思います。
週刊文春の記事のように、録音されて表に出たときのリスクが大きすぎます。
しかし、それでありながらも今回追手門学院がやってしまったのは、よほど決裁者にリスクが理解できてなかったのか…
特に今回の研修会社であるブレインアカデミー社は下関の梅光学院のときにも問題を起こしているので、依頼前にちょっと調べればすぐ分かります。
それなのに、今回のようなケースが起きたのは学校法人の風土によるところが大きいのかなと感じました。
特に、梅光学院の場合はブレインアカデミーの退職強要が2016年に起こって問題化したにも関わらず、毎年のように大学教員の雇い止めで裁判になっているようです。
梅光学院は理事長がひたすらに人件費を削る方針(それなのに自己資金が少ない状況で新棟を20億円で建てようとしていた?)である為、学校法人の支出で半分以上を占める教職員の人件費に手を付けられやすいのかなと推測します。
今回の舞台である追手門についても、今回のブレインアカデミーの退職強要研修の指示部署がどこなのかは不明ですが、やはり雇い止め裁判を抱えていたこともあり、風土は似ていたのかなというのが感想でした。
実際、追手門学院に知り合いが転職していった(比較的上の役職者クラス)人に話を聞いても、その人が採用されたのにそのすぐ後に同じようなポストで人が採用され、最初の転職者の人は閑職へと言うような話も聞きました。
まあ大学職員はある程度までは高給で年功序列的なところもあるので、いきなり年収が激減するということは無いと思いますが、それでもそのような仕打ちを受けた人は屈辱的だろうなという感じ。
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【楽すぎ?】大学職員というホワイト企業ランキング常連の実態
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当初はそのような入れ替え人事が多い大学だけれども、平社員には関係ないだろうと思ってたら今回の指名退職強要研修です。
大学職員に転職したいひとがこのニュースを読むと、学校法人も安泰ではないなと感じるかもしれません。
しかしながら、大学職員のメリットは景気や為替、外資の参入リスクが無い業界である為、外部要因でのリスクは少なめなトコロ。
営業職で無いという事から考えても、ノルマも無くて働きやすいですし、平均年収も高い業種です。
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民間企業と大学職員両方を経験してみて思いますが、それでもやはり大学職員は働きやすい良い仕事だなと感じていますから、転職を考えている方は、なんでも聞いてくださいませ。