そんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- 大学職員の『経理業務』を現役職員が解説します
- 経理や財務経験者が大学職員に転職する方法
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2020年は1月末現在で3名の方が専任職員(総合職)として合格されています。
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それは、大学職員という仕事を深く理解すること。
現職でどんな能力を培い、それを大学職員として◯◯◯部門で〜として教員と〜〜しながら働いていきしたい。
弊ブログでは、そこまで具体的に考えます。
今日は、その助けとなるような、経理・財務系の仕事について記事として取り上げることにしました。
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経理・財務部門の大学職員ってどんな仕事するの?【具体的な解説】
大学の収入は、国から交付される運営費交付金をはじめ、学生からの授業料、国や民間企業から獲得した外部資金、病院収入などで構成されています。
こうしたさまざまな収入と支出の関係、及び民間企業とは異なる大学独特の会計基準をすべて網羅するのは容易ではありません。
そこで、この記事では大学の経理の全体像ではなく、経理担当の大学職員が担当している仕事内容にスポットを当てて紹介します。
具体的な仕事の流れから、大学における経理へのイメージを深めてみてください。
大学職員の将来設計に必要な『概算要求』とは?【折衝能力を活かせます】
概算要求とは、国が予算編成を行うにあたり、各省庁が翌年度の政策などに必要な見積もりを提出することです。(主に国公立大学で発生する業務となります。)
大学の場合は、文部科学省を通じて翌年度の大学運営に必要な予算の見積もりを提出します。
教職員の人件費のように、大学運営の根幹を成す部分について一から要求を組み直すことはあまりないです。
大学における概算要求のメインは、運営の基盤部分にプラスされる部分です。
具体的な要求事項として、学内の施設・インフラの基盤整備や改修にかかる経費、大学全体や各部局の機能強化に必要な経費などがあります。
なお、部局とは大学を構成する学部や研究科、センターなどを指します。
要求事項の発生事由はさまざまですね。
給排水やガスといったインフラの老朽化など、いずれ必ず出てくるようなものもあれば、新たに設計されたプロジェクトをまとめるようなケースもあります。
また、学内に設置された共同利用・共同研究施設のように、全国の研究者が設備や資料などの研究リソースを利用できる施設の維持発展を目的として要求を行う場合もあります。
しかし、大学を取り巻く状況は厳しいといわれるように、ただ要求すればお金がもらえるわけではありません。
そのため、要求事項は大学全体、ひいては国全体における科学技術の振興につながるものである必要があります。
具体的には国の施策や、大学が掲げる運営計画、あるいは経営方針に沿ったものを提示する必要があるでしょう。
概算要求が通らなければ、大学の発展は望めません。
施設の改修も、インフラの整備もできず、いずれ大学は立ち行かなくなってしまいます。
また、大学全体として魅力的な教育、研究プロジェクトを出せなければ、研究者や学生もその大学にいることのメリットを感じなくなるでしょう。
概算要求はまさに大学の将来に欠かせない、非常に重要なものです。
大学職員の主な業務内容
まずは大学内の各部局・各専攻などへ、概算要求事項の有無を照会することとなります。
大学職員の仕事は事前のスケジュール策定や必要に応じた助言、督促です。
もちろん、インフラ整備や施設の老朽化など、部局全体として長年懸念されているような事項も少なくありません。
担当者は既存あるいは新規の要求事項をとりまとめて整理し、優先順位を設定したうえで大学本部、ひいては文部科学省へ提出することになります。
概算要求は部局あるいは大学全体としての決定事項であるため、教授会などの会議に諮ることも必要です。
そのため、大学本部での締切から部局内での会議スケジュールを逆算し、要求事項の提出期限を設定する必要があります。
当然ながら、提出書類の形式上の確認や修正依頼、会議用の資料作成といった作業は事務部の仕事です。
締切の設定時にはこうした作業にかかる時間も考慮しておかなくてはなりません。
このように、スムーズに概算要求が進むロードマップを作るのが大学職員の仕事なのです。
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大学の規模によっては、概算要求の前に大学本部でヒアリングなどが行われることもあるようです。
この場合、部局長や財務担当教員、部局の事務部長などがヒアリング説明を行うこととなります。
ヒアリング資料の作成には、経理担当者である事務職員も深く関わりますから、教員との折衝も大切な仕事となるのです。
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大学運営に必要なヒト・モノ・カネ【予算配分を通した大学職員の仕事】
新しい年度がはじまると、大学本部から各部局へ予算の配分が行われます。
各部局は配分された予算について、さらに各専攻などへの配分案を作成しなければなりません。
配分される予算の内訳は、それぞれの専攻が研究や教育に必要とする経費、部局全体で発生する光熱水料、部局内で雇用している非常勤職員の人件費などがあります。
もちろん、部局内の事務部で管理、執行するものがある場合は、その分の予算配分も念頭に置いておく必要があるでしょう。
大学職員の主な業務内容
予算配分案は、先に配分方法を決定してから作成します。
配分方法にはさまざまな内容が考えられます。
公平性を保つためには、各専攻の教員数や学生数、受け入れている留学生の数、過年度より実施している事業への経費などを勘案することが多いです。
教員は予算が無いと研究ができないので、非常に予算配分についてはシビアです。
自分の専攻や研究室の予算を増やそうと様々なルートでロビー活動してきたりしますから、事務職員は予算の組み立て方などについて明確に説明できる必要があります。
特に、教員は論文作成を通したデータのプロなので、事務職員もきちんと説得力を持って話せるのかどうかとうのは、採用面接のポイントであったりもします。
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たいていの場合、前年度までに配分方法を決定しておき、翌年当初に作成した配分案を会議で審議してから配分、という流れとなります。
配分案を作成する際のポイントは、年度中に発生が見込まれるものをできるだけ組み込んでおくことです。
たとえば、理系の部局では大型の機器を毎日稼働させ続けるケースも多く、光熱水料の年額はかなり膨らみます。
電力会社が電気料を少し値上げするだけでも、金額は大きく変わってきますし、今回の消費税増税もかなり変わります。
あらかじめそのような変化要因を見込んで予算配分案を作成しておけば、予算が足りるかどうか慌てる必要もありません。
その観点から言うと、事務職員には事前準備能力や先を見通せる能力が必要だと言えますから、その線で自己PRするのは有益です。
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想定される支出をできるだけ予算配分案に反映させて、可能な限り実際の支出に近づけることが、うまく予算配分を行うコツですね。
なお、予算配分案は各専攻が1年間に使用できる経費を示すものであり、どの専攻も真剣に内容を確認します。
場合によっては、金額の妥当性に関する説明を求められることもあるでしょう。
したがって、事務担当者は単純に配分案だけを作成するのではなく、配分案を構成する根拠資料などもきちんと準備したうえで、教員にもわかりやすく説明できるようにしておく必要があります。
大学は部局間でお金を貸し借りしている?【移算処理も大学職員の仕事】
移算とは、学内での予算の移し替えのことです。
部局間でのお金の貸し借りや、学内共同利用施設などにおける機器の利用料、他部局の学生の受け入れにかかる研究室の予算配分などが発生した場合に実施されます。
この移算手続きは不定期かつ、数多く発生します。
というのも、予算配分は部局単位で行われる一方、先に紹介したように部局間でのお金の流れは絶えず出てくるからです。
例えば、研究機材である大型顕微鏡を理工学部と医学部で共同購入した場合、最初に理工学部の予算で払っとくからあとで50%を医学部から理工学部に返してねという具合です。
大学職員の主な業務内容
年度を通じて、各部局からは移算手続きが必要な事項の連絡があります。
あるいは専攻や研究室から移算処理をしてほしいという依頼がくることもあるでしょう。
こうした事項をまとめて整理し、学内の予算を管理している財務会計システムを利用して処理を実行します。
複数年度にまたがる予算の貸し借りや、例年使用している機器の利用料など、年度の初めから移算の発生がわかっているケースも少なくありません。
したがって、先に紹介した予算配分案では、発生が見込まれる移算額も組み込んだうえで作成する必要があります。
このとき、大学職員に重要なのは以前にどんな移算内容が発生し、これからどんなものが生まれていくのか情報管理をきちんとやること。
大学職員の能力として、情報の整理能力はかなり重要です。
1年前にきちんと整理しておいたからこそ、今年とっても仕事が楽になるというように、先を見通した整理能力は採用面接でもPRしたいものです。
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年度単位の総まとめ!大学職員の経理・財務部門の決算業務とは?
最終的な収入と支出がいくらになったのかを計算し、集計を行うのが決算業務です。
事務部の規模によっては、経理担当者が外部資金などの収入額と支出額をまとめて整理することもあります。
決算業務を行うためには、すべての収入データと支出データをそろえる必要があります。
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例えば、このような職員人件費も決算業務の対象です。
これらのデータを集めるうえで重要になるのが、財務会計システムとなります。
経理担当者は学内で配分された予算のほか、補助金や受託研究費など、いわゆる外部資金の債権計上済みのデータも確認して、最終的な収入額を財務会計システム上で確定させなければなりません。
大学によってはさらに入学金や授業料などが含まれることもあるでしょう。
また、契約担当者に対して、購入物品の債務計上や、旅費の精算処理など、当該年度に発生した支払いのデータをすべて学内の財務会計システムへ入力するよう依頼します。
それぞれの部署が必要な入力作業を終えると、財務会計システム上で1年間の収入と支出のデータを確認できるようになります。
その後はシステム上から必要なデータを抽出して、決算用の書類にまとめていかなくてはなりません。
文字にすると単純なタスクフローのように見えますが、実際はなかなか大変な作業となります。
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ただ、大学運営の両輪である、教務と財務の双方の理解は、大学職員内定への近道です。
特に、年度末はどの専攻も駆け込みで支出を行うことが多く、債務計上のデータ数は膨大な量です。
作業が増えると、人的なエラーも増えるもの。支払いに充てる予算の種類が誤っていたため、別の財源に振り替えてほしいというような依頼も少なくありません。
あるいは、予期せぬ残業や欠勤の発生によって、人件費の支出額が最後まで確定しないというケースもあります。
例年、データの確定までにはどの部署も大変な作業量を強いられるのが一般的です。
また、決算用書類にまとめる作業では、収入額と支出額が一致しないことも少なくありません。
部局へ配分される予算に加えて、研究費に付随する間接経費を支出に当てているような場合、どこをどうまとめてひとつの支出となるのかをきちんと整理する必要も出てきます。
決算業務で作成した資料は、過年度分の資料と並べることで、収入や支出の推移を確認することができます。
「できる」経理担当者になると、こうした資料の分析を通じて、次年度以降の支出方針や収入減少への対策などを提案できるようになっていきます。
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経理・財務経験者が大学職員に転職するということ【まとめ】
紹介した内容以外にも、経理担当者は日々いくつもの業務をこなしています。
そのどれもが、大学における予算の管理と密接に結びついた、非常に重要なものです。
民間企業などで経理業務を行っていた人なら、すんなりと業務を進めることができるでしょう。
一方、経理事務は未経験だという人でも問題はありません。
1年もあれば概算要求や予算配分、年間の支出、そして決算までの流れが理解できるようになるはずです。
大学は営利企業ではないからこそ、限られた要求方法のなかで予算を勝ち取り、きちんと管理していくことが求められます。
経理を通じて大学をマネジメントしたいという意欲のある人は、ぜひ経理系の部署を目指してみてください。
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